題詠blog2008



001:おはよう
おはようの代わりに5秒じっと見るバスの窓越しいつも見る君


002:次
振られても次の恋なんて無理です君が最初で最後なんです


003:理由
いつまでも手首に残るカッターの痕よ生きてる理由教えて


004:塩
眸からあふれる雨は塩味で舐めると胸がちくりと痛む


005:放
放埓なその唇の紡ぎだす愛の言葉を信じたならば


006:ドラマ
ドラマみたいにはいかない「運命の人」と別れて三ヶ月半


007:壁
わかってる自分で壁を作ってる越えられぬ嘆きに酔いながら


008:守
世界から守って欲しいわけじゃない隣りでいっしょに戦いたいの


009:会話
宇宙人の会話みたいね意味のない擬音でふたりじゃれあっている


010:蝶
珍しく煙草の煙にむせる朝飛び去った蝶はもう戻らない


011:除
パソコンが私でウイルスが君で削除できない厄介な奴


012:ダイヤ
冷紅茶ダイヤ氷で作る夜の魔利の夢を私に見せて


013:優
消えぬ傷 優しさが犯す過ち知らないままに過ごせたならば


014:泉
駆け落ちをしよう鄙びた温泉に真夏のだるい夕方のころ


015:アジア
忘れずにいてねアジアの片隅で君の幸せ祈る私を


016:%
「君のコト100%信じてる」そう言えたなら壊れなかった


018:集
思春期の少女が集める少年の骨 優越感と劣等感


019:豆腐
お豆腐がどこまでものっぺり白くて砂漠みたいでもう逃げられぬ


021:サッカー
サッカーボール追う少年の背中には少女の持てぬ真白い翼


022:低
もう空がこんなに低いもう冬が近いもう二度と会えない


023:用紙
重ねゆく答案用紙ミルフィーユ誤回答ごと苺のソース


024:岸
彼岸花みたく綺麗で少しだけ不吉な感じ彼の彼女は


025:あられ
ひなあられの生姜のやつがあるでしょう憧れてたの大人みたいで


026:基
DNA塩基配列の時点で君に魅かれると決まっていたよ


027:消毒
ねえ触れて君の指先触れるごと消毒されてゆく気がするの


028:供
どこまでもお供しますとついて来た孤独を疎ましく思う午後


029:杖
杖よりも足枷がいい歩けないならばいっそ閉じ込めておいて


031:忍
明け方に君の心に忍び込み夕暮れまでに奪い取りたい


032:ルージュ
くちづけた彼女のルージュあの人とおんなじ味で心波打つ



題詠blog2008会場




戻る