五月に





くもり空眺めため息ひとつつけば涙の代わり雨が降り出す
雨上がり公園に人が集まってほの白い空に虹を待ってる
右を見ても左を見ても後ろを見てもつつじ咲く午後の受付
ドアの開くたび雨匂うこんな日はお客を待つよりお客になりたい
はにかんだように動かぬ濃い緑の向こうで揺れている鯉のぼり
ベルギーの子供の上手な日本語のさよならを聞き閉める受付
ばら色に頬染め母を喜ばす父から送るばらの花束
一日ごとくまのプーさん増えていく部屋の主はもうすぐ生まれる
後味の悪い思いで本を閉じた日にはミントの入浴剤を
ひとときの夢から覚めて鮮やかな緑にここも夢かと思う




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