足の爪エメラルドグリーンに染めてなくしたうろこの代わりにするの 太陽に負けないように手を繋ぎ指を絡めて海を目指した 赤茶けた髪を撫でてく潮風の言葉も今はもう聞き取れない いつの日か海辺でされたキスの味思い出せずに波間に溶ける 夢の中やさしい声で名を呼んだひとの温もり朝に消え行く 冷房の風に体を冷やされて火照った心火照ったままで うつむいた時間の長さ測るようにメロンソーダの泡がはじける 言いたくて言えなくて目を潤ませる声をなくした人魚のように 海の泡になっても消えぬ妄執を抱えてここで生きてくのです 幻の君が迎えに来てくれて海の向こうへ誘う夕暮れ |