手をとって逃げ出してたら今ごろはこうして笑顔で会えなかったね お互いの隙間にするりと入るなど思いも寄らぬ距離だったはず 色褪せた思い出よりも今を選んでと強くは言えない同士 電話口沈黙だけで誰なのかわかる自分を今取り戻す 「パンプキンパイを買ったのほらもうねハロウィンだしね」それは口実 会いたいと強く思いながら会えず独り隙間を抱えて眠る いけないとわかっていても手を出してしまう甘い毒林檎のよう 七年の空白埋める居酒屋の水で薄めたカルーアミルク 横顔がきれいこのまま眠ってて私のエンデュミオンになって 電源の切れた携帯このまんま置いておいたらこの関係も |